事業者が保有する営業秘密の保護を一層強化するため、営業秘密の刑事的保護について、営業秘密侵害罪の罰金額の上限の引上げ、その保護範囲の拡大等の措置を講ずるとともに、これまで不正競争防止法による営業秘密侵害罪の摘発には被害者側が被害を申告する必要があったものを非親告罪に変更するなどの改正が行われます。

■不正競争防止法の改正概要
近年、わが国企業の基幹技術をはじめとする企業情報(不正競争防止法における「営業秘密」)の国内外への流出事案が相次いで顕在化しており、これら事案における被害金額の高額化及びサイバー空間の拡大に伴う手口の高度化等に対応し、営業秘密侵害行為に対する抑止力の向上等を刑事・民事両面で図るため、不正競争防止法の一部改正が行われます。

1.営業秘密侵害行為に対する抑止力の向上
基幹技術の価値増大等を背景に、巨額の被害(加害者の利得)が生じたり、犯人への高額の報酬が支払われたとされる事例が見受けられたりすることから、刑事・民事両面にわたり、抑止力向上のための措置が講じられます。

(1)罰金額の引上げ及び犯罪収益の没収等の措置を講じること。なお、わが国企業の営業秘密を海外で使用し、又はそれを目的として営業秘密を取得・漏えいする行為については、雇用や下請け企業への悪影響に着目して重課(海外重課)を行うこと。(刑事)

・罰金の引き上げ
個人:1千万円 → 2千万円 (海外重課3千万円)
法人:3億円  → 5億円 (海外重課10億円)

・犯罪収益の没収規定(個人、法人)及び関連する手続規定(保全手続等)を設けること。

(2)営業秘密侵害罪を非親告罪とすること。(刑事)
親告罪の場合刑事告訴の難易度から被害者が泣き寝入りするケースも多く、不正競争防止法違反の犯罪行為の悪質化・件数の急増を背景に犯罪抑止の観点から非親告罪へと変更されます。

(3)民事訴訟(賠償請求等)における原告の立証負担を軽減するため、被告による営業秘密の使用を推定する規定等を創設すること。(民事)

具体的には、被告が営業秘密を不正取得したこと及び当該営業秘密が物の生産方法に係るものであること(※)等を原告が立証した場合に限り、当該営業秘密の使用が疑われる被告の製品は、被告が当該営業秘密を使用してこれを生産したものと推定されます。

※設計図が典型例。販売マニュアル等の物の生産に関連しないものは対象外。

(4)営業秘密侵害品の譲渡・輸出入等を禁止し、差止め等の対象とする(民事)とともに、刑事罰の対象とします。(刑事)

※営業秘密侵害品であることを知らず、かつ、知らないことに無重過失で譲り受けた場合は対象外。

2.営業秘密侵害罪の処罰範囲の整備
携帯情報端末の普及等のIT環境の変化に対応し、処罰範囲を整備すること。

(1)不正開示が介在したことを知って営業秘密を取得し、転売等を行う者を処罰対象に追加。(現行法では、処罰範囲は営業秘密を不正に取得した行為者から直接に開示を受けた者に限定。)

(2)営業秘密の海外における取得行為(※)を処罰対象に追加。
※例:海外サーバーに保管されている我が国企業の管理する営業秘密の取得行為等。

(3)営業秘密侵害の未遂行為を処罰対象に追加。

3.施行期日
公布の日から6月を超えない範囲の政令で定める日。(一部の規定については、公布の日から施行。)

詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[経済産業省]
http://www.meti.go.jp/press/2014/03/20150313002/20150313002.html

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