労働力不足解消のためには採用の強化、長期雇用を考える上では福利厚生の
拡充が必要であり、中でも年次有給休暇(以下「年休」という)の取得促進は
働くときは働き、休みはしっかり取るというメリハリのあるワークスタイルを
確立し、労働者にも企業にも活力を与えてくれます。

年休の取得状況
 厚生労働省の公表によると、平成27年1年間に企業が付与した年休日数は労働者1人
平均18.1日。そのうち労働者が取得した日数は8.8日で、取得率は48.7%となっていま
す。
 また、同省の「『仕事と生活の調和』の実現及び特別な休暇制度の普及促進に関する
意識調査」によると、全体の約3分の2の労働者が、年休取得にためらいを感じているこ
とがわかりました。

年休の仕組み
 業種、業態にかかわらず、また、正社員、パートタイム労働者等の区分に関係なく、次
の要件を満たして全ての労働者に年休を与えなければなりません。(労基法第39条)
①雇入れの日から6ヶ月間の継続勤務
②全労働日の8割以上出勤
 付与日数は所定労働日数や所定労働時間、勤務年数に応じて変わります。

取得率アップのための取組み
①年休の計画的付与制度の活用
 年休の付与日数のうち、5日を超える部分は、労使協定を結べば計画的に取得させること
ができます。企業、事業場の実態に合わせて付与方法を工夫すると、さらに年休が取得しや
すくなるでしょう。
・製造部門など操業を止めることができる事業場⇒一世付与方式
・流通、サービス業など、定休日を増やすことが難しい事業場⇒交代制付与方式
②時間単位年休の活用
 年休は、1日単位で与えることが原則ですが、労使協定を結べば、1時間単位で与えること
ができます(上限は年間5日分)。
 多様化する労働者の働き方のニーズに合わせて、年休を時間単位で取得することができます。

今後の環境づくり
平成30年4月から、キッズウィーク(地域ごとに学校の長期休業日を分散化する取組み)が
スタートします。学校休業日や地域のイベントに合わせて、労働者が年休を取得しやすいよう
配慮することが「労働時間等見直しガイドライン」(平成29年10月1日から適用)に盛り込ま
れました。
 また、政府は平成32年までに年休取得率を70%にする目標を掲げています。そのため、労働
者の年休取得を企業の義務とすることが検討されています。
 年休の取得は労働者の健康と生活に役立つだけでなく、仕事の生産性向上、会社のイメージア
ップなど企業にとっても大きなメリットがあります。
 事業主の主導のもと取得率アップに向けた具体的方策を話し合い、ためらいなく年休を取得で
きる魅力ある職場作りを目指しましょう。