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 厚生労働省の労働政策審議会は、労働災害減少のために国が今後5年間にわたって重点的に取り組む事項を定めた「第12次労働災害防止計画(案)」について妥当と答申しました。第12次計画は、平成25年度から29年度の5年間を対象とし、全体の目標に加え「小売業での死傷者数20%以上減少」など重点対策ごとの数値目標も盛り込んだのが特徴です。

■第12次労働災害防止計画(案)の概要
「労働災害防止計画」とは、労働災害を減少させるために国が重点的に取り組む事項を定めた中期計画であり、5年ごとに厚生労働大臣が策定することとなっています。第12次計画の期間は、平成25年度~29年度の5年間となっており、本計画案は、平成24年度中に策定される予定です。

◎現状と課題
労働災害による被災者数(平成23年:震災直接原因分除く)
•死亡者数:1,024人(過去最少)
•死傷者数:117,958人(2年連続増加、平成24年も増加)
・労働災害は長期的には減少しているが、第三次産業では増加 (特に社会福祉施設は過去10年で2倍以上)
死亡災害も減少しているが、依然、建設業・製造業で過半数を占め、割合が高い

◎基本的な考え方
・長期的な災害動向と社会情勢の変化を踏まえて、重点対策を絞り込む
・重点業種・疾病ごとに数値目標を設定し、社会情勢の変化も踏まえつつ進捗状況を評価する

◎計画の全体目標
・平成29年までに、労働災害による死亡者数を15%以上減少(平成24年比)
・平成29年までに、労働災害による死傷者数(休業4日以上)を15%以上減少(同)

◎労働災害、業務上疾病発生状況の変化に合わせた対策の重点化重点業種 目  標 取り組みの概要
第三次産業 [小売業]
 ・死傷者数を20%以上減少
[社会福祉]
 ・死傷者数を10%以上減少
[飲食店]
 ・死傷者数を20%以上減少 ・小売業等の実態に即した安全衛生管理体制の構築を検討
・小売業の大規模店舗・多店舗展開企業を重点として労働災害防止意識を向上
・小売業のバックヤードを中心として作業場を安全化
・介護施設における腰痛、転倒防止対策を推進
陸上貨物運送事業 死傷者数を10%以上減少 ・荷役作業中の労働災害防止を徹底
建設業 死亡者数を20%以上減少 ・足場、はしご、屋根等様々な場所からの墜落・転落災害対策を推進
・関係請負人まで安全衛生経費が確実に渡るよう発注者に要請
・解体工事での安全の確保、アスベストばく露防止を徹底
製造業 死亡者数を5%以上減少 ・機械設備の本質安全化(機械そのものを安全にすること)により、機械によるはさまれ・巻き込まれ災害を防止

◎健康確保・職業性疾病対策 対策項目 目  標 取り組みの概要
メンタルヘルス対策 対策に取り組んでいる事業場の割合を80%以上 ・メンタルヘルス不調を予防するための職場改善手法を検討
・ストレスチェック等の取組を推進
・取り組み方が分からない事業場への支援を充実・強化
・事例集やモデルプログラムの作成により職場復帰支援を促進
過重労働対策 週労働時間60時間以上の雇用者割合を30%以上減少 ・健康診断の実施と事後措置などの健康管理を徹底
・休日・休暇の付与・取得を促進
・時間外労働の限度基準の遵守を図り、時間外労働削減を推進
化学物質対策 危険有害性の表示と安全データシートの交付を行っている化学物質製造者の割合を80%以上 ・化学物質の有害性情報を収集、蓄積、共有する仕組みを構築
・発がん性に着目した化学物質の有害性評価、評価結果を踏まえた規制を加速
・危険有害情報の伝達・提供とリスクアセスメントを促進
腰痛・熱中症対策 [腰痛]
・社会福祉施設の腰痛を含む
・死傷者数を10%以上減少
[熱中症]
・5年間合計の熱中症による
・死傷者数を20%以上減少 ・介護施設、小売業、陸上貨物運送事業を重点に腰痛予防教育を強化
・介護機器の導入、腰痛健康診断の普及・徹底、腰痛を起こさない移動・移乗介助法の指導などにより腰痛予防手法を普及
・重量物取扱い業務の腰痛予防に資する規制の導入を検討
・熱中症を予防するため夏季の屋外作業について必要な措置の義務づけを検討
受動喫煙防止対策 受動喫煙を受けている労働者の割合を15%以下 ・受動喫煙の健康への有害性に関する教育啓発の実施
・事業者に対する効果的な支援の実施
・職場での禁煙・空間分煙・その他の措置を徹底

詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[厚生労働省]
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002v7ud.html